紺碧の海 金色の砂漠
この砂浜にヘリを着陸させ、階段を駆け上がり、ヴィラのベッドに舞を押し倒したという。

ところが、そのときには舞はスースー寝息を立てていたと言うから、なんともフォローしがたい。

ミシュアル国王は百パーセントその気になったムスコを宥めるのに必死だったらしい。


「ヘリポートではなく、砂浜に無理やり着陸させ、人払いまでしたというのに」


口惜しそうに言われると、なんと言うか、本当に申し訳ない気持ちになる。

こんな真っ昼間から言ってもなぁ、と思いつつ、


「えっと……じゃあ、今から……スル?」


馬鹿もの! と怒鳴られるのを覚悟して身構えていると、予想外の返事が返ってきた。


「当たり前だ! お前が目覚めるまで、ずっと待っておったのだからな」

「え? えっ? ええーっ!?」


(ビーチのど真ん中なんて、嘘でしょーっ)
 

なんと、ミシュアル国王の瞳は爛々と輝き始める。

舞がアタフタしていると、そんな心の声が聞こえたのか、彼はとんでもないことを口にした。


「そう言えば……アサギ島のビーチで、レイたちもコトに及んだとか、どうとか聞いたが」

「コトってアレのコト? う、うそっ!」


< 106 / 243 >

この作品をシェア

pagetop