紺碧の海 金色の砂漠
一応、レイ国王が客人を招いた、という形をとっている。でも、彼が舞の警護のためについてきたのは明らかだ。
「いえ。そんな素晴らしいオアシスがあるなら、ぜひ私も同伴させていただきたいものです」
「ええ、ぜひ。わたしの知ってる、アル=バドル一族の族長(シーク)なら歓迎してくれるでしょうよ。とーっても良い方だから! でもその前に、イルカと泳ぐのも楽しいかもね。ミスター・キャラハン、あなたの毒舌ならサメだって逃げて行くんじゃない!?」
舞が言い返すと、ヤイーシュの隣に座ったシャムスが困ったように「ア、アーイシャさま、それ以上は……」と口にする。
だが、とうのヤイーシュは澄ました顔で、
「お優しい方だ、クアルンの王妃殿下は。できれば怪我人ですので、妃殿下の母国にある温泉にでも招待していただきたいものです。サメ抜きでね」
聞きたいことはひと言も言わないくせに、どうでもいいことはペラペラとしゃべる。
(もう、頭にくるったら……早く戻って来てよ、アル! っていうか、連絡くらいしろーっ)
早く会いたい。せめて声が聞きたい。心の中で舞は夫の名を呼ぶが……。
「いえ。そんな素晴らしいオアシスがあるなら、ぜひ私も同伴させていただきたいものです」
「ええ、ぜひ。わたしの知ってる、アル=バドル一族の族長(シーク)なら歓迎してくれるでしょうよ。とーっても良い方だから! でもその前に、イルカと泳ぐのも楽しいかもね。ミスター・キャラハン、あなたの毒舌ならサメだって逃げて行くんじゃない!?」
舞が言い返すと、ヤイーシュの隣に座ったシャムスが困ったように「ア、アーイシャさま、それ以上は……」と口にする。
だが、とうのヤイーシュは澄ました顔で、
「お優しい方だ、クアルンの王妃殿下は。できれば怪我人ですので、妃殿下の母国にある温泉にでも招待していただきたいものです。サメ抜きでね」
聞きたいことはひと言も言わないくせに、どうでもいいことはペラペラとしゃべる。
(もう、頭にくるったら……早く戻って来てよ、アル! っていうか、連絡くらいしろーっ)
早く会いたい。せめて声が聞きたい。心の中で舞は夫の名を呼ぶが……。