紺碧の海 金色の砂漠
舞が半泣きでぶつぶつ言っていると、ふいに話し声が聞こえたのだ。
(え? ティナ? でも、男の人の声が聞こえるような……)
走って出て行こうとした時、ティナが舞を呼ぶ声ではなく、男性の話し声が聞こえたので少し迷った。
どうしてここに男性がいるのだろう? まさか……ミシュアル国王たち? それともレスキュー隊だろうか?
まだ数ヶ月とはいえ、クアルン王妃の自覚が芽生えつつある舞である。不特定多数の男性がいる場所に、アバヤやヒジャブも身に着けず出るわけにはいかない。
そんな気持ちで恐る恐る覗き込めば……。
コテージの入り口にティナとレイ国王が立ち、悲壮感漂う顔で見つめ合いキスを交わしている。
舞の場所からでは、ふたりが何を言ってるのかよく聞こえず……。
(今、出て行ったら、ひょっとしてお邪魔?)
悶々と悩んでいると、ティナが「マイ」の名を呼んでいることに気付き、思わず声を掛けたのだった。
「マイ! 良かった……マイ、無事だったのね」
「ティナも海に流されたんじゃなかったんだ! 良かったぁ。本当に良かった」
駆け寄るティナと抱き合いながらお互いの無事を確認する。
(え? ティナ? でも、男の人の声が聞こえるような……)
走って出て行こうとした時、ティナが舞を呼ぶ声ではなく、男性の話し声が聞こえたので少し迷った。
どうしてここに男性がいるのだろう? まさか……ミシュアル国王たち? それともレスキュー隊だろうか?
まだ数ヶ月とはいえ、クアルン王妃の自覚が芽生えつつある舞である。不特定多数の男性がいる場所に、アバヤやヒジャブも身に着けず出るわけにはいかない。
そんな気持ちで恐る恐る覗き込めば……。
コテージの入り口にティナとレイ国王が立ち、悲壮感漂う顔で見つめ合いキスを交わしている。
舞の場所からでは、ふたりが何を言ってるのかよく聞こえず……。
(今、出て行ったら、ひょっとしてお邪魔?)
悶々と悩んでいると、ティナが「マイ」の名を呼んでいることに気付き、思わず声を掛けたのだった。
「マイ! 良かった……マイ、無事だったのね」
「ティナも海に流されたんじゃなかったんだ! 良かったぁ。本当に良かった」
駆け寄るティナと抱き合いながらお互いの無事を確認する。