愛と欲望の螺旋(仮)
明日になったら、黒崎達が仕事の間に荷物を取りに行けばいいけど。
問題は今夜。
お金もない。
行く当てもない。
野宿するには寒すぎる。
「ハア…」
もう一度、大きなため息をつきながら、ゆっくりと顔を上げた。
その瞬間、大きく目を見開いて、言葉も出ないくらいの衝撃に口をポッカリと開けた。
真っ青な顔をした黒崎が、まるで幽霊のように立っている。
「なっ……どうして!?」
驚いて、声まで裏返ってしまった。
「この辺は住宅街ですから…その格好では、コンビニへも行けないでしょ?」
そう言いながら、バサッと頭から服をかぶせた。
「あの…」
驚きすぎて爆発しそうな心臓。
バクンッ
バクンッ
バクンッ
って、痛いくらい脈を打っている。