愛と欲望の螺旋(仮)

「どんな条件を突きつけられても、私は…こんなことをされて、契約を破棄しないはずはないでしょう?」


そんなお人よしなんかじゃない。


大体、ただでさえ華組っていうだけで、関わるのが嫌なのに。


危険な目にあってまで、契約を履行するなんてバカでしょ。


「この契約が終わったら、業界最大手のSKSの少女マンガ編集部に正社員として働けることをお約束します。」


その言葉に、力の入っていた手から。


一気に力が抜けて行く。


SKSって、最大手出版社どころじゃない。


コネか有名国立大学でも出ていなければ、就職試験すら受けられないっていう会社でしょ?


そんな所に…


試験もナシ。


いきなりマンガ編集部で働けるんでしょ!?


ゴクリ…


思わず息を飲んでしまう。

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