人生はドラマである
「ほら、ガキ、行くぞ」
僕は、ガキ、と呼ばれたことに驚いて固まっていた。
というより、怒っていた。
こんな愛らしい僕を、ガキと呼ぶ、この男、早乙女翔のことを。
「ぼくはガキじゃない、ツバサだ!」
「ツバサは名前だろ? お前は間違いなく、ガキだ」
「……」
「ほらガキ、俺だって暇じゃねぇんだ、行くぞ」
頑として動かない固まった僕を、ひょいと片手で担ぎ上げ、翔おじさんは歩き出した。
――くっそぉ~
この絶対的な体格差はどうにもならないと諦めた。
こいつを僕に服従させる、何かいい手を考えなければ……
その機会は、案外すぐにやってきた。