龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
体が前に揺れた。
とっさに手摺りを掴んだけれど、右足の裏が階段の角をズルッと滑ってしまった。
落ちる――そう思った瞬間、不思議と全てがスローモーションのように見えた。
わたしの後ろに小さな女の子がいた。
あれは誰?
桜色の着物を着て、無邪気に笑っている。
美幸が悲鳴を上げ、亜由美がわたしの方に手を伸ばす。
ダメだよ。亜由美まで巻き込まれちゃう。
わたしは亜由美の手を避けるように体を捻った。
「しづ姉(ねえ)!」
階段の下に大輔くんがいた。
大輔くんは、持っていた物を全部放り投げて、手をパンッと打ち鳴らした。
「止まれ!」
止まれって――あれ?
わたし、浮いてる?
「大輔! 堪えろ!」
わたしの真横にいきなり悟くんが現れた。
悟くんはわたしの腰を抱き抱えると、そのまま下に向かって跳んだ。
うぎゃ―――っ!
とっさに手摺りを掴んだけれど、右足の裏が階段の角をズルッと滑ってしまった。
落ちる――そう思った瞬間、不思議と全てがスローモーションのように見えた。
わたしの後ろに小さな女の子がいた。
あれは誰?
桜色の着物を着て、無邪気に笑っている。
美幸が悲鳴を上げ、亜由美がわたしの方に手を伸ばす。
ダメだよ。亜由美まで巻き込まれちゃう。
わたしは亜由美の手を避けるように体を捻った。
「しづ姉(ねえ)!」
階段の下に大輔くんがいた。
大輔くんは、持っていた物を全部放り投げて、手をパンッと打ち鳴らした。
「止まれ!」
止まれって――あれ?
わたし、浮いてる?
「大輔! 堪えろ!」
わたしの真横にいきなり悟くんが現れた。
悟くんはわたしの腰を抱き抱えると、そのまま下に向かって跳んだ。
うぎゃ―――っ!