雨が見ていた~Painful love~
――え?!え?!えぇっ?!
何が起こってるの?!
何が起こってるの~?!
握り締められた手はとても熱くて、私の手をすっぽり包み込むほど大きくて。その熱、その熱さを感じるほどに手のひらがドクンドクンと大きく脈打つ。
自分の身に巻き起こった奇跡の事態。人生初のピンク色な事態を把握できなくて、オロオロと困りまくっていると
「俺、アンタのそういうポヤンとしてるとことか、天然なとことか。なんか危なっかしくてほっとけないとことか…結構好きなんだ。」
いつもぶっきらぼうで、無表情の拓真くんが、こんな言葉を口にする。
「え…??」
何を考えてるのかわからない時もある彼。慌てて拓真くんの方へスッと視線を流すと
「俺…桐谷さんが好きだ。響弥のことを本当に幼なじみ以上に思っていないなら…天然な俺と付き合ってくれないか?」
彼は耳まで真っ赤にしながら、まっすぐ私の顔を見つめて。よそ見なんて一度もせずにまっすぐに私の瞳を見つめて、一生懸命私に気持ちを伝えてくれた。
「あ、あの……。」
真剣な瞳の拓真くん。それなのに事態がよく飲み込めず、初めて体験する告白に舞い上がり。軽いパニック状態になってしまっていた私が落ち着きなくオロオロしていると
ポカリ!!
「い、いたいっ!!」
ムスッとした顔をしたキョウちゃんが、私の頭を思いっきりチョップしてきた。
――な、なんで殴るのよ!
意味がわからず、恨みがましい瞳でキョウちゃんを見上げると
「あのなー。ボケッとしてねーで、ちゃんと返事しろ!このクソオンナ!」
「…ギャっ!!」
鬼の形相をしたキョウちゃんに、もう一発殴られた。