雨が見ていた~Painful love~
それからというもの、私は何かと理由をつけてスイミングスクールに遊びに行くようになった。
放課後
土曜日
日曜日
キョウちゃんをダシに使って、これでもかというくらいに足を運ぶ。
何度も何度も通っているうちに、拓真くんも
「オッス」
とか
「今日も来てるのか??」
とか、話しかけてくれるようになっていた。
そして‥頻繁に通うようになって気づいたことだけれど、意外なことに拓真くんとキョウちゃんは仲が良い。
拓真くんは高校三年生で
キョウちゃんは中学三年生
年齢は離れているけれど、二人はとても気があうらしく、何かにつけて2人でよくジャレていた。
そんな仲の良い2人だから、、かな?いつしか練習が終わった後はキョウちゃん、私、拓真くんの3人で帰るのがお決まりのルーティーンのようになっていた。
幸せな幸せな拓真くんのいる帰り道。
「響弥と桐谷さんはつきあってるのか??」
と、拓真くんが言い出した時にはとても焦ったけど
「アホか。
こんな天然バカオンナと付き合えるほど、俺様はヒマじゃねーよ。」
キョウちゃんは、その疑惑を一刀両断にぶった切る。
――うう……。ひどい……。
いつものことながら、キョウちゃんの口から発せられる悪魔な一言に軽く傷ついて、シューンとしていると
「じゃあ……遠慮しなくていいんだよな??」
いつものようにさらっとした顔をして、拓真くんは私の右手をぎゅうっと握りしめる。