一直線な人気者
オレはグラグラに揺れる理性を繋ぎ止めるのに、全力を尽くす。


だが桃妃ちゃんはいとも簡単に、オレの我慢という名の石を木端微塵に粉砕した。


「こんなに喜んで貰えて嬉しいなぁ。好きな人の笑顔って威力絶大だね。明智君に喜んで貰えて、良かったよ」


――――っ!!//////


ダメだ……オレはやっぱり今時の男子高校生。


出来たばかりの彼女に笑顔でこんな事言われて、平常心なんか保っていられない。


もういいや……後で朋貴や多富さんや長谷水さんに怒られても。


オレはフォークを置いて、ゆっくりと立ち上がった。
< 355 / 363 >

この作品をシェア

pagetop