愛を叫んで地に堕ちて〈全イラスト41枚つき恋愛ホラー〉
次の日の、朝。
真珠は、九月公演の台本を読みながら、考えていた。
自分と、茂吉。
そして、晶左のコトを。

本当は、これから劇の立ち稽古が始まるはずなのに、気分は、それどころではなかった。
昨日、凪(なぎ)がくれたお菓子を食べてから、何かが変だったのだ。
それは、真珠に限らず恋人の勇斗も、また。
確かに、勇斗は今までだって、我がままだった。
でも、真珠にはとても優しかったのに。
痛いことも、乱暴なコトも絶対にしなかったし。
甘く大事にキスをするだけだったのに。
蝉の鳴き声と一緒に思いだす、前世の記憶に振りまわされるように、真珠を乱暴に抱いた。
そのことは、真珠にとって、すごく怖くて悲しかった……一方で。
勇斗が、自分を抱くときに見せた切羽詰まった『熱』と『悲しさ』が。
勇斗自身も自分以上に苦しんでいる、と感じられたから。
だから、今回だけは、真珠も許つもりにはなっていた。