愛を叫んで地に堕ちて〈全イラスト41枚つき恋愛ホラー〉
 けれども、もう。

 勇斗があんなふうに変わってしまうのは、絶対イヤで。

 そして、蝉が鳴くたび溢れるように思いだす記憶が『真実』なのか、どうしても知りたくて。

 真珠は、傷ついた身体を引きずるように、図書館に行ったのだ。

 たまたま、図書館に用があった他の演劇部員のみんなと一緒に。

 そして、真珠の知りたい資料を、手際良く見つけてくれた凪のおかげで、真珠は、真実にたどり着いたような気がした。

「昔、教会からの失火で、大火事になった時の事件に。
 茂吉と、晶左が関わっていることが、今でも歴史の資料として残ってるなんて……!
 そして。
 わたしの『前世の記憶』が覚えている。
 その混乱のさなか、茂吉は、昔のわたしだった『真珠』を廓(くるわ)からさらってくれたんだ。
 ……結局、追手に見つかって二人一緒に死ぬしかなかったけれど……」

 茂吉は、命をかけて『真珠』を、わたしを自由にしてくれたんだ……!

 それは、真珠にとって確かな記憶で。

 そんな風に、激しく愛してくれた相手が現在の勇斗だって言うコトがとても嬉しかった。
 

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