Liars' clovers
 結構広い範囲を探したと思う。
 木々の間から、空にだいぶ溶けた虹のかけらが見えた。

「もう少し向こうを探してみましょう」

「……うん」

 エミルは土で汚れた手をこすり合わせ、まだ探していない箇所を見やる。

 もう何度もこうして場所を移動していた。


 それでも彼女はあきらめない。
 下を向いて一心にクローバーを探している。

 ──けして見つかることのないものを。

 四つ葉のクローバーは見つからない。

 ぼくは知っていた。

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