Liars' clovers
 目の前の少女はとてもゆるやかな動きで、テーブルに置いてある花瓶にそれを挿した。

 そのまま図鑑のようなものを手に取り、ぼくに見えるよう窓際で広げる。

 開かれたページにはクローバーのイラストと花についての簡単な説明が載っていた。

 イラストと言っても緑の微妙なグラデーションや、葉脈の一本一本まできちんと描きこまれた、実物そっくりの美しいものだった。

 それだけじゃない。そのページには、押し葉にされた四つ葉がはさまっている。

 ──昨日ぼくが見つけた偽物とは違う、本物の四つ葉のクローバーが。

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