ナツメ
それから朋子と少し言葉を交わし、朋子は申し訳なさそうに子犬をナツメの胸へと返す。

また狭いガラスケースへと戻される子犬を、ナツメは哀しそうに見つめていた。

罪悪感という三文字を顔に貼りつけている。

おかしかった。

わたしを監禁することに罪悪を覚えなかった男が、子犬に対してはそれを感じている。


いや。感じるようになったのかもしれない。

彼はきっと今も動物にわたしを重ねている。

朋子が小走りで戻ってきた。
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