うさぎさんが好きないちごみるく




「えーっと……本っ当にごめんね?悠哉はちょっと自由なとこあるんだけど…
根は悪い人じゃないから!
許せないかもしれないけど…」


そう言って顔の前で手を合わせたのはいちご先輩。

無理に許せって言わないのが優しい先輩らしい。


「びっくりしたけど、もう大丈夫です。ただ…」


いちご先輩は、謝ったポーズのまま微動だにしなかったから、何か言わなきゃ、と思って許す言葉を言ったまでは良かったのだが……

そのあと続けようとした言葉を口にすることを躊躇った。




まだ誰にも言ったことのない、

僕の本音だったから。



















「無理に言わなくてもいいよ。」


「えっ?」


暫くの沈黙のあとでいちご先輩が僕に言ってくれたのは、声だけで僕を安心させるような…
慰めるような…

そんな優しい一言だった。



「言いたくないことは、無理に言わなくてもいいよ。
笑いたくないときは、笑わなくてもいいし、大丈夫じゃないときは、助けを求めていいんだよ。」


そう言って微笑んだいちご先輩を見て、この人になら言えるかもしれないって思った。



「…ありがとうございます。でも、大丈夫です。あなたに、聞いてもらいたいんです。

…聞いてもらえますか?」


「もちろん。」















たぶん、この時にはもう
いちご先輩は、僕の中で、
“ただの先輩”ではなくなっていたんだと思う。



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