うさぎさんが好きないちごみるく
話終えて、僕はいわゆる体育座りをしている自分の膝に顔を埋めた。
「……」
「………」
暫くいちご先輩も僕も何も言わなかった。
いちご先輩は僕に何て言おうか考えているのか、それともただ言葉が出ないのか。
僕にはわからなくて、でも僕から何か言葉を発する事も顔を上げる事も出来なくて。
たった数分の――もしかしたら数秒の――沈黙が、まるで永遠みたいに感じられた。
「!?」
突然顔を上げることになった。
…正確には、いつの間にか僕の横から目の前に移動していたいちご先輩の両手に両頬を包まれて顔を上げさせられた。
移動していたのにすら気づかないとか、僕どんだけトリップしてたんだよ…
「……じゃぁ、私と一緒に部活しよう!」
「…は?
いや、あの…僕の話、わかりましたよね…?」
深刻そうな顔と真剣な声で言ったいちご先輩とは対照的に間抜けな顔と声の僕。
真剣ないちご先輩になんか申し訳ない…
でもいちご先輩は、そんな僕に構うことなく続けた。
「わかったよ。でも、『だから部活もやらない』?だめだよ、逃げちゃ。
一本通ったものが見つからないなら、私が見つけてあげる。
だから、逃げないで。」
逃げているのはわかってた。でもどうしたらいいのか解らなくて、見て見ぬふりをした。
逃げてる訳じゃないっていつもどこかで言い訳してた。
いちご先輩は、そんな僕を見抜いているのか、逃がさないとでも言うように真っ直ぐ僕を見つめてくる。
目を逸らそうとしても無駄だった。
僕はもう、
僕の頬を包むいちご先輩の手から伝わる温もりに
囚われていた。