本気の恋の始め方
そして千野君は、結局私の部屋の前まで来て
「今日はありがとうございます。続きはまた週末にでも聞かせてくださいね」
と、次の約束まで取り付けようとする。
「つぎ?」
「ええ。次。まだ終わってないでしょう?」
千野君はにっこりと微笑んで、ぽかんと見上げる私を見下ろした。
「あ……うん。終わって、ない」
本当に大事なのはこれから話すこと。
私がやぶれかぶれでるうくんに玉砕したあの日のこと。
「――だけど話したら、きっと千野君、私のこと軽蔑すると思う」
気持ちに応えられないなら、そうしたほうがいいに決まってるのに。
どうしてだろう。今はそれが少し怖いと感じる。
そんな日が来るのは、もう少し先だったらいいのにって。