本気の恋の始め方
そんな複雑な感情を抱えたまま迎えた、週末。
マンションまで迎えに来てくれた千野君は、カットソーにベスト、デニムのカジュアルな格好をしていた。
やっぱり、カッコいいな……。
普段のスーツ姿とのギャップに、胸がときめく。
「えっと。千野君……」
「天気いいから、出かけましょう」
彼は手を伸ばして、私の手を取り部屋から連れ出す。
千野君は、私の話の続きを聞こうとはしなかった。
もしかしたら、私の緊張が伝わっていたのかもしれない。
彼に誘われていった先は動物園。
「カピバラって、切れ長の目してるよね。イケメンっぽいよね」
今日はいよいよるうくんとの最後の日のことを話さなくっちゃいけないなんて考えていたから、その機会がなくなって、気が抜けてしまって。
なんとなくそんなことを言ったら、
「潤さんのイケメンの定義わかんねえ~!」
千野君に爆笑されてしまった。