本気の恋の始め方
無言の私の顔を覗き込むと、ささやくように言って、私のあご先から頬を指でなで上げる。
そんな仕草で、千野君は遊びなれてるってわかる。
そのまま上目づかいで彼を見上げると
「やばい……ね、出よう。二人で……荷物とってくるからここで待ってて」
千野君はそう言って私の手をぎゅっと握ると、慌てたようにカラオケルームへと戻っていった。
「――」
私は久しぶりに受けた激しいキスの余韻になにも考えられなくなって。
すぐ側にあったソファーに腰を下ろしていた。
ドキドキと、千野君にキスされている間苦しかった呼吸がようやく落ち着いてくる。
あんなキスをしたあと、二人でここを出たらどうなるかわからないほど、子供じゃない。