本気の恋の始め方
だけど、そんな簡単に二人で抜けられる訳がない……。
さっきはのぼせて、流されてもいいかもなんて、思っちゃったけど。
やっぱりそういうわけにはいかない、よね。
私、そんなキャラじゃないじゃない。地味な干物女だし。ばかばかしい。
やっぱりお酒飲むとだめだな。とりあえず私も戻ろう……。
ソファーから立ち上がったその瞬間、私のバッグや上着を持った千野君が、駆け寄ってきて
「行きましょう」
と、私の肩を抱き歩き始めた。
「え、あの、千野君?」
キョドりまくる私と、にこにこしてる千野君。
「三木さんが気分悪くなったみたいなんで、タクシーに乗せてくるって言って出てきました。みんなベロベロだし、大丈夫ですよ」
彼はそう言って指を絡めてきた。
「――俺、ずっとこの機会狙ってたんだから。逃がしません」
それまで人なつっこそうに輝いていたはずの瞳は――。
妖しい男の目をしていた。