本気の恋の始め方
「――」
しんと静まり返ったフロア。
暗闇に目が慣れ始めたころ、おろおろした表情の千野君が、床にぺたんと座り込んだ私の肩に手を置き、顔をのぞき込んできた。
「潤さん……ごめん……泣かないで……ごめん。
潤さんはなにも、悪くない。悪いのは100パーセント俺だから……
嫉妬で頭、おかしくなって……せっかく話せるようになったんだから、ゆっくり時間をかけてじゃないとって思ってたのに、俺は焦って、潤さんに強引に付け入ることしかできなくて……」
『ないけど入れてもいい?』なんて強烈なことを言っておきながら、彼の衣服には少しも乱れがなかった。
そうか。やっぱり彼は、本当のところは無理やりどうこうする気はなかったんだってホッとしていたら
「潤さん……俺のこと、警察に突き出して」
今にも泣き出しそうな顔で、びっくりするようなことを言われた。
警察に突き出す……!?
「え……?」
「俺、滅茶苦茶嫉妬して。こんな……」
唖然とする私に、うなだれる千野君。