本気の恋の始め方
そうよ。千野君は私に言ってくれた。
その言葉が、私は本当に嬉しかったし、救われたんだから……。
「千野君は私を軽蔑しないって言ってくれた。私もそうよ。私がいいって言ってるんだから、いいの……だから、顔あげて?」
そこまで言ってようやく、千野君はゆるゆると顔を上げる。
不安定に揺れる瞳に私が映り込んでいて……透明感のある彼の瞳はビー玉みたいにきれいだって、場違いなことを考えていた。
「潤さん、俺……」
千野君が何かを言いかけたその瞬間、薄暗いオフィスの中に一筋の光が差し込んできた。
「どなたかいらっしゃいますかぁー!?」
警備員だ!!
「はっ、はぁい!!」
反射的に立ち上がると、入口付近に警備員さんが懐中電灯片手に立っているのが見えた。