本気の恋の始め方
「嬉しいです」
その瞬間、千野わんこの、耳としっぽがピンと立ち上がる幻覚が見えた。
彼が嬉しそうにすると、私まで嬉しくなってくる。
胸の奥があったかくなる感じ。
この気持ちって……
そわそわしつつも、私はうなずく。
「あの、ロッカーで着替えてくるから」
「はいっ! じゃあ、下のエントランスで待ってますね!」
そう言って、千野君はぴゅーっとオフィスから飛び出していった。
「はやい……」
そんな彼の様子に思わず頬が緩んでしまった。
早く行かなきゃ。
待たせられないよね。