本気の恋の始め方

警備室に連絡後、ロッカーで着替えてエントランスに降りると、千野君が待っていた。



「お待たせ」

「いいえ。私服、潤さんによく似合ってます。可愛いです」



なんてお世辞まで繰り出す。

確かにちょっと気に入ってる、ノーカラーのジャケットとギャザースカートなんだけど。



「あ……ありがとう」



顔が熱い。


彼はなんともない様子で時計を見て、

「俺の知ってる店でいいですか?」

と首を傾げる。



「うん」

「Guido Fawkes(グイド フォークス)って店なんですけど。運が良ければ面白いものが見れるんですよ」

「面白いもの?」

「行ってからのお楽しみです」



ふふっと笑う千野君。



「なんだろう。楽しみ」



つられて私も、笑ってしまった。


どうしてかな。

あんなことがあったのに、もう私、二人の時間を楽しみにしてるなんて……。





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