本気の恋の始め方
「へぇ……どうりで。でも緊張しちゃうね」
ドキドキしながらお水を飲むと、さわやかなレモンの味が広がる。
「潤さん、ここ、チーズパイがお勧めです。潤さんチーズ好きでしょう?」
「うん。じゃあ私はそれをいただきます。飲み物は……」
「よく冷えた白ワインがあいますよ」
お水を給仕してくれた店員さんが微笑む。
男の人なのに妙にしっとりとした大人の色気があって、見つめられたらドキドキしてしまう。
「あ……はい。じゃあ、今日のグラスワイン、っていうの、いただきます」
思わずうなずいてしまった。
「わざわざ相楽(サガラ)がオーダー取りに来なくてもいいのに……」
千野君が少しすねたように唇を尖らせると
「ぼっちゃまが連れて来た女性ですからね。僕も出ざるを得ませんよ」
と、少し意地悪そうに微笑み答える彼。
「ぼっちゃま……?」
「相楽は俺の家庭教師をしてたから、未だに冗談でそう呼ぶんです。相楽、彼女が三木潤さん」
私と相楽さんの顔を交互に見る千野君につられて、私も相楽さんに向かって会釈した。