本気の恋の始め方

「そういえば、チーズパイとってもおいしかった」



どうってことない会話をするたび、体が近づくのか

時々、手の甲や指先がふれる。



「よかったです。いつか潤さんに食べさせたかったから」



私を見て目を細める千野くん。


そんなふうに見つめられると、ドキドキ、心臓が苦しい。

のどがぎゅっとつまって息がちゃんと出来ない。


千野君は気づいてないのかな。

こうやって手が触れるの……。


そういえば、千野君、わりと気軽に私の手を握ってたのに、今日はしないんだ……って。



私、なに考えてるの……?



なんだかクラクラする。


今更ワインが回ったわけではないと思うのだけれど――



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