本気の恋の始め方
「潤さん? 着きましたよ」
「えっ!?」
顔を上げると、確かに私の住む部屋の前だった。
いつの間に?なんて思ったけど、慌てて千野君に頭を下げる。
「いつも送ってくれてありがとう」
「俺がそうしたいだけだから」
顔を上げると、千野君がじっと私を見下ろしていた。
立ち去る気配もないまま、どう受け止めたらいいのかわからない、真摯な瞳で私を見つめて動かない。
「――」
その真剣な眼差しにまた息が苦しくなって。
とっさに私は自分の耳に両手を押し当て、
「まだ、体の中で音が響いてる」
と笑って彼を見上げた。