本気の恋の始め方
「もちろんあのあとも、ずっと忘れたことない。潤さんの――」
「ち、千野君、あのね、耳元で、しゃべらないでっ……」
「どうしてですか? 俺はただしゃべってるだけですよ? いやらしいことしてるわけじゃないし」
「そ、そうだけど……こ、こえ……」
「声が、なに?」
クスクス笑いながら、千野君は後ろから私の耳の後ろに唇を近づける。
「潤さんが魅力ないなんて言うから、そんなことないよって教えてあげてるだけです。俺は悪くない」
息がふれる。
びりびりと全身に響いて、伝わる。
「あ……っ」
「潤さん、声だけで感じてる?」
感じてるなんて。
違うって言いたいけど、否定できない。
だって、まるで触れられているみたいだから。