本気の恋の始め方
「じゅんさん……ほんもの。いいにおい……」
唇が、首筋に押しつけられる。
「え、ちょっと、千野君ねぼけてる!?」
狭いソファーの上でぎゅうっと抱きしめられて、息が止まりそう。
っていうか千野君でっかいんだから、つぶれちゃうー!!
「もーっ、起きて!」
両手で彼の頬をびよーんとつかんで引っ張ったら、
「いひゃ……!」
千野君がぱちっと目を覚まして、それから上半身を起こし、私をじっと見つめた。
「――あれ……潤さん」
「おはよう、千野君」
「おはようございます」
「ごはん、食べる?」
「たべる……」
一応起きたことは起きたけど、全然寝ぼけまなこだ。
さらりとした髪も、少し跳ねてる。
なんだか可愛い。
思わず頬がゆるむ。