本気の恋の始め方
よし。善は急げだ。
トイレに行くふりをして、携帯を制服に忍ばせオフィスを出ていく。
ティールームの隅っこでメモを取りだし、電話をかけた。
数コールで『町田です』と応答があって、背筋が伸びる。
周囲をきょろきょろしながら、声をひそめ話しかけた。
「塁? 潤です」
『ああ。早かったな。今日はないかと思ってた』
少しほっとしたような声。
電話の向こうでは車の音がする。どうやら外にいるみたいだった。
「あの……」
『急で悪いんだけど、今日、いいか? 俺、早く終われるんだ』
「えっ?」