本気の恋の始め方

よし。善は急げだ。


トイレに行くふりをして、携帯を制服に忍ばせオフィスを出ていく。

ティールームの隅っこでメモを取りだし、電話をかけた。


数コールで『町田です』と応答があって、背筋が伸びる。


周囲をきょろきょろしながら、声をひそめ話しかけた。



「塁? 潤です」

『ああ。早かったな。今日はないかと思ってた』



少しほっとしたような声。


電話の向こうでは車の音がする。どうやら外にいるみたいだった。



「あの……」

『急で悪いんだけど、今日、いいか? 俺、早く終われるんだ』

「えっ?」





< 200 / 446 >

この作品をシェア

pagetop