本気の恋の始め方

「――わかった」



るうくんに後悔の種をまいたのは私。

だったらその芽を、根を、抜く責任があるのも、私しかいないはずだ。


そう。私しか……。


彼に再会したのも、きっとそういうことなんだろう。


何度も自分に言い聞かせて、るうくんと仕事帰りに会う約束をした。





――――……



「無理言って悪かったな」



一ノ瀬ホールディングスから少し離れた全国チェーンのコーヒーショップで、るうくんは待っていた。



「ううん」



ホットコーヒーの載ったトレイをるうくんの前に置いて、正面に腰を下ろす。


スーツ姿のるうくんは、相変わらず大人の男って感じで、素敵だった。

着ているシャツの袖丈も、きちんとスーツに合っている。


るうくん、おしゃれだったもんね……。

ごく普通のスーツに見えても、そんじょそこらのサラリーマンとは着こなしが違う。





< 202 / 446 >

この作品をシェア

pagetop