本気の恋の始め方
「――わかった」
るうくんに後悔の種をまいたのは私。
だったらその芽を、根を、抜く責任があるのも、私しかいないはずだ。
そう。私しか……。
彼に再会したのも、きっとそういうことなんだろう。
何度も自分に言い聞かせて、るうくんと仕事帰りに会う約束をした。
――――……
「無理言って悪かったな」
一ノ瀬ホールディングスから少し離れた全国チェーンのコーヒーショップで、るうくんは待っていた。
「ううん」
ホットコーヒーの載ったトレイをるうくんの前に置いて、正面に腰を下ろす。
スーツ姿のるうくんは、相変わらず大人の男って感じで、素敵だった。
着ているシャツの袖丈も、きちんとスーツに合っている。
るうくん、おしゃれだったもんね……。
ごく普通のスーツに見えても、そんじょそこらのサラリーマンとは着こなしが違う。