本気の恋の始め方

その瞬間、ほっと息が抜けた。


こんなふうに、二人っきりだってことを意識しているのは私だけ……ってわかってる。

だって、久しぶりに姿を見せた幼馴染をいきなり部屋に入れちゃうなんて、やっぱり女として見てない証拠だ。


高校を卒業したら、少しくらい変わるかと思ったのに……。


学生の私と、社会人になりたてのるうくんは、やっぱり住む世界が違うって感じる。



複雑な気持ちになりながら、彼のあとを追う。


キッチンではるうくんがコーヒーメーカーをセットしているところだった。



「――るうくん」



声を振り絞ったのに、思いのほか小さな声しか出なくて。

けれどその声は彼に届いたみたいで。



「なんだよ。部屋で待ってていいのに」



と、苦笑するるうくん。




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