本気の恋の始め方
「潤~? 塁くんいたの~?」
リビングからお母さんが問いかけてくるけれど、返事も出来ない。
無言で自分の部屋に戻り、ベッドに体を投げ出すようにして横たわった。
頭の中では、ぐるぐるとるうくんの言葉が回っている。
『こっちに戻ってきて、中距離になった』
今、現在進行形で彼女がいるってことだよね。
いないわけがない。
るうくんは誰が見たってかっこいいんだから。
ううん。かっこいいだけじゃない。
ぶっきらぼうに見えても、優しくて……
虫嫌いなくせに、インスタントコーヒーの瓶につめただんご虫だって受け取ってくれるような……
そんな男の子で
だから私はずっと――
るうくんが好きだったんだ。