本気の恋の始め方

両親が引っ越し先に行ってしまって数日たった、ある日の夜。



コンビニ帰りに、

「塁……?」

玄関のドアにもたれるように、座り込んでいたるうくんを目にした。



「なにしてるの、風邪ひくよ!」



るうくんの前にしゃがみ込んで、顔をのぞき込むと

「ん……」

異常なまでのアルコールのにおいが鼻をつく。



こんなるうくん、初めて見た……。

なにがあったの?



「しっかりしてっ……」



必死に声をかけるけれど、芳しい反応はない。

鍵を開けようとして挫折したのか、家の鍵を握りしめていたから、彼の手の中からそれを奪い取り、鍵を開けた。



「ほら、がんばって。こんなところで寝てたら風邪ひくよ」



仕方なく、大きなるうくんの体を支えて、彼の部屋へと向かう。



ベッドに仰向けに彼を寝かせたあと、キッチンへと向かいコップに水をそそいだ。

部屋に戻り、手の甲で目元を隠して横たわったままのるうくんの顔をのぞき込む。




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