本気の恋の始め方
時計を見ると12時前。
お昼にはホテルにつきそうだ。
マーケティング部で取る部屋は、京都駅近くにあるビジネスホテルの一室と決まっている。
ランチ一緒に出来るかな?
京都駅で降りて携帯をチェックしたけれど、千早からの返事はないままだった。
疲れて眠ってるのかな……。
気になりつつもホテルへと向かう。
名前だけは知っていたビジネスホテルは、想像よりずっときれいで静かだった。
ロビーに入ってラウンジのソファーに腰を下ろし、電話をかけてみようかどうかと迷っていたら、すぐそばのエレベーターのドアが開いた。
「ねぇ、ちぃくん。これからどこに行く?」
ちぃくん?
明るい女の子の声になにも考えず顔をあげる私。
「――」
そして言葉を失った。
そこにいたのは、私服姿の千早と繭ちゃんだったから――。