本気の恋の始め方

「潤の分、ちゃんといちごのショート買ってあるよ。お前、好きだったよな」

「ありがと……」



彼のささいな気遣いに胸を突かれた。

涙がこぼれそうになる。



「――潤?」

「あ、エレベーターまだ止まってるよ。いこ」



るうくんから目を逸らし、エレベーターへと向かう。

彼は何かを言いかけたけれど、なにも言わず私と一緒にエレベーターに乗った。




小学生のころからずっと好きだったるうくん。

お母さん以外には気づかれなかった私の片思い。

けれど大人になったるうくんは、小さい頃とは違って、ちゃんと中身も大人になっていて、めざといというか、勘がいい、というか……





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