本気の恋の始め方

そう思われても仕方ない、ちょっと着飾った私。


だって千早に会うつもりだったんだもの。

京都デートするんだって浮かれてたんだもの……。


また唐突にむなしくなって、唇を引き結ぶ。




「――潤?」



私の様子に何か感じるものがあったのか、るうくんは一歩私に近づいてくる。



「あ、いや、あの、そこのケーキ屋さんに行くとこだったの」



マンションを出て、道路を一本挟んだ向こうにケーキショップがある。


慌ててそっちを指さすと、るうくんはああそうか、という柔らかい表情を浮かべうなずいた。



「俺、そこでケーキ買ってきたんだけど」

「あ、ありがとう……」



着なれた感じのシャツにコットンパンツ。

おしゃれなドライビングシューズを履いたるうくんは、手に持っていた大きなビニール袋を持ち上げ、にっこりと微笑む。




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