本気の恋の始め方
「あら、奇遇ね。あたしもそうよ。千早の幼なじみで、親友で……」
彼女は私を上目遣いで見上げ、男の子なら誰だって惑わされるような笑顔を浮かべた。
「あなたの部屋の下に住んでるの。真鍋幸(まなべさち)です。よろしくね」
ほっぺたをはり倒されたような気がした。
私の部屋の下に住んでるって……
真鍋さん……
だから見たことがあるんだって、そういうことじゃなくて――……
『友達が潤さんの部屋の下に住んでて……だから俺、ずっと前から潤さんのこと知ってて――』
『着替え、取ってきます!』
お友達のお部屋に、たくさんの荷物を置いていた千早。
その荷物は少しずつ私の部屋を浸食して、最近じゃほとんど「お友達」のところに行かなくなってはいたけれど……