本気の恋の始め方
兄?
あのきれいな人が?
信じられない。信じられるわけがない。
だからからかわれてるって思った。
顔がカーッと熱くなる。
「どうしてそういう嘘つくのっ!」
「嘘じゃない!」
千早は美しい顔を歪めて叫んでいた。
「サチは親父が別の女性との間にもうけた息子だ。でも心は女の子で……俺にとってはたった一人の兄なんだ。
俺が潤さんに片思いをしていたまんまる高校生のころから、女の子になりたいサチと、生まれ変わりたかった俺は、お互いがずっと、たった一人の相談相手だった……
潤さんにサチのことずっと紹介したかったけど、サチは『おかまの兄がいるなんてばれたら千早が嫌われるよ』って、ずっとそれを拒んでた……だから言えなかった。ごめん……」
「――」