本気の恋の始め方
千早……
「あの……」
どうしよう。
繭ちゃんとは二人きりじゃなかった。
真鍋さんは……お姉さんじゃなくてお兄さん、だった……?
どこからどうみても小悪魔系の可愛い子の彼女が男だなんて、信じられないって思うけど……
千早が私にそんな嘘をつくはずがない。
そんなひとじゃない。
どうして私は彼から話を聞こうとしなかったんだろう……。
今更ながら怒涛のように後悔の気持ちが押し寄せてくる。
「――俺がその程度の気持ちで潤さんのこと好きだったって思われてるの嫌で……追いかけてごめんね。もうこういうことしないから」
千早は持っていたファイルを私の頭の横に差すと、くるりと背中を向けた。
「え……?」
思わず数歩、彼のあとを追いかけていた。