本気の恋の始め方
「千早……」
「――」
千早は私の声に振り返ると、唇の端にかすかに微笑みを浮かべた。
「潤さんは……俺が潤さんを裏切るようなことはしないって信じられなかった?」
彼の言葉に血の気が引いた。
心臓を冷たい手でつかまれたみたい。
ズキズキ、痛くてたまらない。
「だけど、仕方ないよね。サチのこととか……黙ってたし。色々不愉快な思いをさせてごめん」
ごめんだなんて……
違う……
待って……
そう言いたいのに、唇が震えて声が出せない。