本気の恋の始め方

「――無理だよ。嫌われたもの」



ずっと優しかった千早の、最後の私への態度を思い出すだけで、絶望的な気分になる。



「やりなおすチャンスをちょうだいって言ってみましたぁ? 潤さんって、ダメならもう仕方ないって感じで諦めそうっていうか……なんていうか……」




咲子ちゃんは歯切れ悪く言いにくそうにつぶやいて、それから目線を落とす。



確かにそうだ……。


私……

千早からのアクションがないんだから、もうだめだって思っていたかも。



「だけど……もっと嫌われるのが怖いの」



そうだ。彼にこれ以上軽蔑されるのが怖いんだ。



「怖がりすぎだよ」

「――」

「自分が傷つくのが怖いって、逃げなんじゃないんですか?」



それまで黙っていた未来ちゃんの言葉が胸に突き刺さった。






< 373 / 446 >

この作品をシェア

pagetop