本気の恋の始め方
「――潤」
るうくんは改めて私の名前を呼び、それから久しぶりに見る戸惑いの表情を見せた。
そりゃそうだよね。
彼の前にいる私は、相変わらずダンゴ虫をプレゼントするような小学生のころの私で。
それはきっとこれから先も永遠に変わらない現実で……。
「や……はは。いや、ごめん。今のうそ」
まともに顔も見られない。
「気にしないでっ……」
私はぼそぼそとそれだけ言って、くるりときびすを返し向かいの我が家へと飛び込んでいた。
ものの数秒で、長年の私の恋心は木っ端みじんに砕け散ったんだ。
死して屍、拾うものなし。