本気の恋の始め方
「それはさー……」
何か言いたげな、けれどそれ以上はっきり言わない吉永。
うーん。やっぱり今日の吉永は変だな。
よっぽどのことがあるのかもしれない。
「中華まんも買おっか?」
なんて言いながらレジに並ぶと、前の、お会計をしていた男の人が、肩越しに振り返った。
「――潤?」
息が止まりそうになった。
塁だった。
黒のスーツに薄手のコートを羽織っている。
「あ」
それまでずっとぽやーんとしていた私。
まったくもって予期していなかったから、彼の姿を見るなり、硬直してしまった。
「る……い……」
「久しぶりだな。がっこ、帰りなのか?」