本気の恋の始め方
相変わらず綺麗なるうくん……いや、塁は、切れ長の瞳を細め私をじっと見つめる。
「――うん」
「髪、伸びてるから一瞬誰かわかんなかった」
彼の指摘に耳が赤くなるのがわかる。
「部活引退してから……伸ばしてて」
ベリーショートがショートボブになった程度だけど、私としては精一杯の女の子らしさだった。
「あ、寒いからだよ。別に意味なんてないし!」
塁に「女の子っぽくしている」と思われるのがなんだか恥ずかしくて、聞かれてもないのに、寒いから髪をのばしてるなんて説明してしまった。
「そっか。まぁ、確かに寒いよ」
塁は軽くうなずいて、特に他意はないんだろうけど、じっと私を見つめている。
その視線を感じるだけで、体まで不自由になる。