本気の恋の始め方
誤魔化しておいてなんだけど、やっぱり私の気持ち、一ミリだって彼の心に残らなかったのかな……。
そう考えると、胸の奥がぎゅーっと苦しくなった。
「――潤、こぼれる」
隣から吉永が、私の手を取った。
「あ……」
あわてて持っていたキャップでミニペットボトルを締める。
「なんか、ごめん。ぼーっとしてて。ちゃんと吉永の話、聞くつもりだったんだけど……今日は無理みたい」
ちゃんと普通の顔しなきゃって思ったけど、声が震えた。
「潤、俺……」
「ごめん、また今度ね!」
なんだか困ったような吉永の声を振り切って、私はバッグをつかみ公園を飛び出していた。