本気の恋の始め方

「えっと……マンションの同じフロアに住んでる幼なじみ」

「社会人?」

「いや、まだ大学生だよ」

「ふぅん……」



吉永はスニーカーで足元の石を蹴ると、

「おやじじゃん」

とつぶやいた。



「はぁ!? 塁はおやじじゃないし!」

「おやじだろ。頭ぽんぽんされて、おまえ子供扱いだったし」

「そっ……」



そうじゃないって言いかけて。

けれど「子供扱いは正しいかもしれない」と感じて、口ごもった。


だけど……。

久しぶりだったのに、普通に話しかけてきてくれた。


あんなおかしな告白をしたのはもう二年前だ。


そのことは純粋に嬉しい、と思う。

嬉しいけど複雑。


吉永のことを「彼氏」だなんて言うし。


私は今でも塁が好きなのに。



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