偏食家のテーブル
ユタカは雑巾を取りに走ろうとしたが、まだ目覚めて間もないからか、足を滑らせて尻餅をつきそうになった。それを見たハルカは
「いいよ、ワタシがやるから。雑巾ドコ?」
「あぁ、洗面所の棚に」
そして、ハルカは雑巾を探しに消えた。
「スイカ食おうぜ。」
半裸のヒガシが突然言った。
「えっ?」
「アレ。」
ヒガシが指差す方を見ると、投げ捨てられたスイカがバラバラになって玄関にあった。
「もう食べれない?」
雑巾を持ってきたハルカがスイカの安否を心配した。
「イケるだろ。」
ヒガシが今日の一番の被害者に駆け寄る。そして、一欠片を手にとって味わった。
「うん。うまい。」
ぬるいスイカを頬張り、ヒガシが言った。
それからひとときのスイカパーティーが始まった。

ユタカは実は体が強い方ではない。という事が今ココで明らかになった。いつかの夏にもこんな事があった。
「ねぇ、この部屋でこの先は平気?」
スイカの片付けをしながらハルカが言った。
「うん。だけどしょうがない。」
ユタカが経済的な理由から、そう言った。
「でも…」
ハルカが言ってからヒガシをチラ見した。そして、仕方ない感じで
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