SoUnD~僕らの世界~

その文を送信して、教室に戻った。


もちろんケータイの電源をいったん切って。



放課後、部活が終わってギターをしまっているとき、紗奈に声をかけられた。


「雅、あの後未那さんにどんな返信したの?」


「んあ?・・・言えねぇな。」

「え、変なこと書いたんじゃないでしょうね!?」


「さぁ、どうだろうな。」


俺的には・・・本当にどうだろうな、って感じなんだよな。

未那にうまく伝わってたらいいけど。


伝わってなかったら、俺ってただのバカに思われるよな。



それ、結構辛いな。



「まだ返信見てないの?」


「おう。この後見る。だから、今日は一人で帰らせてくれ。」



「そっか。わかった。じゃぁ、また明日ね。」

「じゃぁな」



ギターを背負って、カバンを持って、俺はみんなより先に学校を出た。



そして、さっそくケータイを取り出し、メールをチェックする。


新着メールが一通きていた。

もちろん、未那からのものだった。



『さしてほしいなっ。傘持ってくるの忘れちゃったから(笑)ありがとう、雅。メール見て、思わず笑っちゃった私より』


「ははっ、まじか。」


笑ってくれたんだ。

少し想像できるかも。


って、俺・・・変態。


俺はそのメールに『いつでも傘くらい、何本でもさしてやる』と書いて返信した。



家に帰って、しばらくすると、返信があった。

< 136 / 290 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop